RPA(ロボティックプロセスオートメーション)とは?事例を交えて解説

2023/05/28

近年、ビジネスの効率化・業務の自動化がますます求められるようになってきました。

そんな中、注目されているのが「RPA(ロボティックプロセスオートメーション)」です。

RPAは、人間が行っていたルーチンワークを自動化する技術で、様々な業界で導入されています。

本記事では、RPAの基本的な概念から、その必要性やできること、事例を紹介し、さらに将来的な展望についても触れていきます。

RPAを活用して、効率的な業務プロセスを実現しましょう。


RPA(ロボティックプロセスオートメーション)とは?


RPA(Robotic Process Automation)とは、人間が行っていたルーチンワークをソフトウェアロボットによって自動化する技術のことです。

簡単に言えば、コンピュータプログラムによって人間の作業を自動化することができるということです。

RPAの利点には、生産性の向上、精度の向上、コストの削減などがあります。

また、RPAはビジネスプロセスの改善に役立ち、業務プロセスの透明性を向上させることが可能です。

一方で、RPAは完全に自動化されたシステムではないため、人間の介入が必要な場合もあり、特定のタスクに最適化されているため、複雑な業務プロセスの自動化には適していない場合もあります。

つまり、RPAはビジネスプロセスの自動化において、貴重なツールであり、企業の生産性や効率性を向上させる仕組みということです。


RPAが必要とされている理由


では、なぜRPAが必要とされだしたのか?

主な理由を解説していきます。

企業の人手不足
ヒューマンエラー
コストの削減

企業の人手不足


RPAが必要とされる理由の1つに、人手不足が挙げられます。

特に、高齢化が進む日本では、人手不足は深刻な問題です。

多くの業務は単純作業が中心であり、大量の作業を人間が行うと非常に時間と労力がかかってしまいます。

しかし、RPAを導入することで、ルーチンワークを自動化することができ、人間が本来行うべき高度な作業に集中することができます。

その結果、人手不足を解消し、生産性の向上や業務効率の改善ができるのです。

このように、RPAは企業が抱える人手不足の解消に有効な手段として注目されています。

ヒューマンエラー


RPAが必要とされる理由の1つに、ヒューマンエラーが挙げられます。

人間が行う業務には、ヒューマンエラーがつきものです。

例えば、繰り返しの作業や複雑な手順を必要とする業務では、人間がミスをしてしまうことがあります。

その結果、品質低下や時間のロス、さらには重大な問題につながることがあるでしょう。

しかし、RPAを導入することで、ヒューマンエラーを減らすことができます。

RPAは正確性が高く、一度設定すればミスをすることがありません。

これにより、品質向上や効率化を実現することができます。

このように、RPAはヒューマンエラーを解消することで、企業の生産性向上や業務改善に貢献するでしょう。

コストの削減


RPAが必要とされる理由の1つに、コストの削減が挙げられます。

RPAを導入することで、繰り返しの作業やルーチンワークを自動化することができ、業務の効率化や生産性向上を実現することができます。

このため、従業員の人件費や作業時間の削減、作業ミスによるコストの発生を抑えることが可能です。

また、RPAは24時間体制で稼働することができるため、人手不足による残業や人件費の増加を防止することもできます。

さらに、RPAの導入コストは、従来のシステム開発や業務改善に比べて比較的低いとされています。

このように、RPAを導入することで、コストの削減が実現でき、企業経営に貢献できるでしょう。

RPAには3つの段階(クラス)がある


RPAには、自動化できるレベルにおいて、3つの段階(クラス)があります。

Class1:RPA
Class2:EPA
Class3:CA

RPA


定型業務の自動化を実施する段階です。

クローリングなどの情報収集、構造データの読み取り・入力・検証などの自動化が可能ですが、実質的にはプロセスの自動化にはいたらず、デスクトップ作業の自動化「RDA(Robotic Desktop Automation)」にとどまるケースも多く見られます。

現在、日本でRPAを導入している企業の多くはこのクラスの段階です。

EPA


EPAとはEnterprise Process Automation(エンタープライズ・プロセス・オートメーション)の略で、RPAをより広範囲かつ組織的に導入するためのアプローチを指します。

EPAは、ビジネスプロセスの自動化だけでなく、データの可視化、分析、意思決定のためのアプリケーション統合など、企業全体のデジタルトランスフォーメーションに関する戦略的アプローチを取り入れます。

CA


CAとはCognitive Automation(コグニティブ・オートメーション)の略で、AIや機械学習などの技術を用いて、知的能力を持った自律型の自動化を実現する技術を指します。

RPAは単純なルールに基づいた自動化ですが、CAは複雑なタスクや判断、問題解決なども自動化することが可能です。

CAは、RPAと組み合わせてより高度な自動化を実現することができます。


RPAとよく間違われやすい技術


RPAとよく間違われやすい技術として、「マクロ」と「AI」があります。

ここでは、それぞれの違いを解説します。

マクロ


RPAとマクロは、どちらも業務の自動化を行うツールですが、その仕組みや機能には違いがあります。

まず、RPAはコンピューターに代わって作業を自動化するために、GUI(Graphical User Interface)を模倣してマウスやキーボードなどを制御します。

これにより、RPAは様々なアプリケーションやシステムに対応することができます。

一方、マクロは、Excelなどの特定のアプリケーション内で作業を自動化するための機能です。

マクロは、アプリケーション内に記録された一連の操作を再生することで、作業を自動化します。

つまり、RPAは様々なアプリケーションやシステムに対応できる汎用的なツールであり、マクロは特定のアプリケーション内でのみ動作する機能であるという違いがあります。

AI


RPA(Robotic Process Automation)とAI(Artificial Intelligence)は、両方とも自動化技術であり、業務プロセスの効率化や生産性向上に役立ちますが、それぞれ異なる特徴があります。

RPAは、事前に定義されたルールに従って、特定のタスクやプロセスを自動化するソフトウェアボットです。

ですから、RPAは、特定の作業プロセスにおける単純なタスクを自動化することに向いており、処理するデータに意味を与えることはできません。

一方、AIは、データに基づく学習アルゴリズムを使用して、データを分析し、問題解決に必要な意思決定を行うことができます。

そのため、AIは、自己学習、自己進化、自己改善が可能であり、機械学習や自然言語処理、画像認識、音声認識などの技術を活用して、高度なタスクを実行できるのです。

つまり、RPAは決まったルールに基づいた単純な作業プロセスの自動化に向いており、一方、AIは、データの意味を理解して、複雑なタスクを自動化することができます。


これからのRPA


RPAは今後も進化を続け、より高度な機能を持つようになっていくと考えられます。

例えば、より高度なAI技術の統合により、自然言語処理によるチャットボットの様な会話型RPAや、画像処理によるOCR(Optical Character Recognition)によるデータ処理などが可能になると予想されています。

また、RPAとIoTを組み合わせることにより、工場や物流センターなどの自動化が進むかもしれません。

さらに、RPAを使用した業務プロセスの最適化や、RPAツール自体の操作性の向上、セキュリティの強化なども今後の進化の方向性として注目されています。


まとめ:RPAを活用して作業を自動化しましょう


RPAは、定型業務やルーチン業務を自動化することで、生産性の向上や作業効率の改善、人手不足の解消、ヒューマンエラーの軽減、コスト削減などのメリットをもたらします。

また、RPAは簡単に導入できることが特徴であり、専門知識やプログラミングスキルがなくても操作が可能です。

しかしながら、RPAはあくまでも人手を補完するためのツールであり、自律的に作業を行うことはできません。

今後は、AIや機械学習の技術を組み合わせた「インテリジェントRPA」の進化が期待されており、より高度な業務自動化が可能になると考えられています。

RPAの活用により、効率的な業務フローを構築し、企業の業績向上に貢献しましょう。

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